ピックアップ企業
女性活躍
社長直結の女性組織「ホクシン小町」を通じて
職場に活気とやりがいを
株式会社ホクシンエレクトロニクス

半導体装置や車載用フレキシブル基盤をはじめとする電子機器や医療機関向けの電子部品の製造・開発を手掛ける株式会社ホクシンエレクトロニクス(本社:秋田市)は、全社員のうち女性従業員が55%を占めています。
半数以上が女性社員にもかかわらず、これまでは役員や部課長以上の役職者は男性ばかりでした。
こうした背景を踏まえ、「女性をはじめ様々な立場にある社員の意見を聞き入れ、女性が活躍できる会社でなければ生き残ることができない」と感じた佐藤宗樹社長は、女性を中心とした「ホクシン小町」という社内組織を2018年に結成。女性社員が主体的に会社のことを考え、よりよい組織となるよう直接社長へ意見を伝えられる場を設けています。
ここ数年で女性を管理職に積極登用するなど、さらなる女性活躍に向けた取組みを進めています。

品質保証部 リーダー
三浦 美香子 さん /2002年 入社
「ホクシン小町」が発足して丸4年になりますが、立場を超えて社長に対して意見を伝えられる場ができてよかったと思っています。これまでは役員まで意見が届くのに時間がかかっていましたが、今は直接社長に意見できる場ができたため、意見も通りやすく、意見の反映までがとてもスムーズになりました。社内では、役職名で呼び合うことが禁止されていて、必ず「~さん」と呼んでいます。(社長も「むねきさん」と呼ばれています。)
それもあってか、社長を含め上司や先輩とも気兼ねなく会話ができる環境にあります。ホクシン小町を通じて「パソコン教室を開いてほしい」という意見を出したところ、メール送信のポイントや「Word」「Excel」といったソフトの基本を学べるパソコン教室を社内で開催していただきました。配属先によってはパソコンをほとんど使わない従業員もいますが、プライベートでも活用できるような様々な知識を得られるなど、「従業員の思い」を受け入れてくれる会社に感謝しています。
品質管理という私のポジションは後輩も少ないですが、後輩に限らず先輩や上司の意見も吸い上げてホクシン小町で発言していくことによって、社員が自ら学び、楽しみながら成長できる環境を整えていますので、新たな仲間を心待ちにしています!

FPC部
田口 幸子 さん /2007年 入社

この会社で働きたいと思ったのは、率直に「仕事(ものづくり)が楽しそう」だと感じたことがきっかけでした。当時はまったく異なる業界で働いていたことに加え、40歳を過ぎていたので、新たな挑戦に不安もいっぱいでしたが、実際働きだしてからも先輩の皆さんが丁寧に教えてくださったので、楽しみながら担当業務を習得することができました。
家庭があっての仕事なので、個々の事情を踏まえながら男女の垣根を越えて理解し合える職場環境かどうかが大切だと思います。上司や先輩が強要するのではなく、協調し合って仕事ができており、人手が足りなくなった時や家庭の事情等で出勤できない社員がいる際は、上司に相談すると他部署から補充人員を手配してくれるような会社です。
近年は女性の管理職という身近な存在によって、女性という立場だからこそ理解してもらえることも増え、以前よりも相談しやすい環境になったと感じています。
今でも楽しみとやりがいをもって働けていることが誇りであり、当社の強みだと感じています。

ユニット製造部 リーダー
齋藤 文子 さん /2002年 入社
月1 回の「ホクシン小町」の会議では、様々な部署の女性社員と交流でき、自身だけでなく普段の社員の声を社長に伝えることのできる貴重な機会となっています。
私は、産休と育休あわせて約2年ほどのお休みをいただくことができました。それでも快く受け入れてくれた会社の体制にはとても感謝していますし、こうした経験のある私だからこそ、今後の若手や会社のために発言できるのかなと考えています。
主婦が多い職場なので、子育てや介護をしながら仕事をするため、休暇を柔軟に取得しやすい環境であることが当社の1番の特徴だと思います。主婦という同じ境遇の方が多いということもあって、理解ある社員に恵まれていることが大きな救いとなっています。
例えば、こどもの授業参観や親を病院に連れていくために半休を取ることもできるので、とても助かっています。最近では、1時間単位での有給休暇取得についてホクシン小町の会議内で意見があり、制度拡充に向けて社長や総務部門が連携して前向きに検討してくれています。
リーダーという立場を任されていますが、リーダーを打診された当時は私には荷が重いと思い、一時は断りました。その後紆余曲折を経てリーダーになったわけですが、今では後輩社員から相談される機会が増え、今はやりがいと責任を感じながら、主婦業とバランスよく両立できています。

各部署の女性社員が委員として「ホクシン小町」の会議に参加し、会社に対する要望や社内イベントの企画案など、社員を代表しての意見が佐藤社長へダイレクトに伝えられる場となっている。
会議では、活発な意見交換を促すため、小町メンバーが持ち回りで司会進行役を務めています。

休暇制度や社内環境の整備など、女性ならではの視点や経験を活かした活発な意見交換が行われている。
参加している女性社員全員が気軽に発言できるような雰囲気で、参加者の意見をもれなく吸収しようとする佐藤社長。
社員の提案をその場で会社の方針として即決するケースもあり、そのスピード感と社員の意見を大切にする佐藤社長の姿勢は、社員そして会社が成長できる土台となっている。
男女は『差』ではなく『個性』。個性と多様性を重視した社員中心の職場づくりを
秋田銀行より

インタビュアー
秋田銀行地域価値共創部 髙橋 希久美
今回の取材での一番の印象は、「女性社員が自身の意思をしっかりと持ち、それをはっきりと言葉にしていた」ことです。
ホクシン小町をはじめとする女性活躍推進に取組むことで、「意見を投じた(女性)社員が主体性と責任を持って会社や他人のために動けるようになる」と話す社長の言葉通り、ホクシン小町や女性管理職の起用などを通じて、組織への参画意識や責任感、組織を俯瞰的に見る力が醸成されていると感じました。男女かかわらず、社員の皆さんがイキイキと働き、いち社員の枠を超えて社長にどんどん進言される姿には、「今後のあるべき企業の姿」を垣間見たと感じています。
今後の取組みに関して、「『幸せ』をキーワードに、社員だけでなく、その家族の幸福度も考えていきたい。」と語ってくださった佐藤社長。産休・育休を取得した社員が、産後に赤ちゃんを連れて出産の報告に来て自然に社員の輪ができるという社風からも、社員が互いを理解し支え合い、長く働ける職場環境であることが窺えました。

電気機械器具製造業