ピックアップ企業

風力発電の最前線からはじまる SDGs とまちづくり
先進技術へのチャレンジでつなぐ次世代へのバトン
大森建設株式会社

1946 年に山本郡八峰町で創業し、能代市に本社を置く大森建設株式会社は、港湾工事、建築工事、道路工事、トンネル工事など、総合建設業として多岐にわたる工事を手掛けています。また、「大森グループ」としては、電子部品の製造や寝具の製造のほか、運送や介護、飲食など計 19 の関連企業を展開し、グループのネットワークをフル活用したまちづくりに取組んでいます。
当社は、確かな技術と実績が認められ、国内大手ゼネコンとの共同企業体(JV)による大規模な工事の受注も多く、秋田県トップの完成工事高を 5 年連続で維持しているほか、秋田県優良工事表彰 15 年連続受賞の実績を誇ります。(2022 年度)
近年では、再生可能エネルギー事業を拡大し、国内で注目される洋上風力発電や大規模陸上風力発電プロジェクトを展開しています。こうした活動が評価され、2022 年 2 月に経済産業省エネルギー庁の「地域共生型再生可能エネルギー事業顕彰」に採択されるなど、「秋田県 SDGs パートナー」企業として、次世代へつなぐための社会課題解決にグループを挙げて取組んでいます。
【大森建設が掲げる SDGs の目標】










土木部 施工管理担当
大渕 雄也 さん / 2016 年入社
生まれ育った地域のために
「郷土を愛し、地域に尽くす」が、当社のスローガンです。能代市で生まれ育った私は、住み慣れた地元で就職し地域貢献したいと考えていました。また、高校時代に土木分野を学んでいたので、その専門性を活かそうと大森建設に入社を決めました。
施工管理業務の担当 ( 現場監督者 ) として、現在は大規模な風力発電施設の工事現場に入っています。設計に加え、工事現場において品質、安全、工程などを滞りなく管理するのが主な仕事で、現場での指導監督や巡回もあって複数の現場を行き来しますが、昔から運動が好きだったこともあり、この会社と仕事を選んでよかったと思っています。
風力発電の最前線に立つ責任と誇り
再生可能エネルギーの主力として注目されている風力発電。私が入社した当時、大森建設ではすでにこの事業に参入しており、全国的にも注目を集めていました。
能代市は日本海に面していることもあって非常に風が強い地域です。長年、「厄介者」とされていたこの風を、地球環境にやさしく持続可能な自然のエネルギーとして活用し、地域に還元しています。
SDGs が広く認知されてからは、風力発電に関する話題が特に大きく取り上げられるようになりました。最近では、身近な家族や友人の間でも関心が高まっており、あらためて「最先端の現場に入っているんだ」と実感し、身が引き締まる思いです。
施工管理業務では、現場を動かす立場として、自らの手で設計・管理しながら、ゼロの状態~完成までを見届けることができます。自分の担当した仕事がやがて形になり、地図に残ることをうれしく思います。
1 年半ほど前、初めて一人で現場を任せてもらった時は、緊張と不安で押しつぶされそうになりました。それでも、事故もなく工事を完了できたあの時の達成感は今でも忘れられず、私のやりがいと誇りにつながっています。



現場での経験と会社のバックアップ制度が大きな成長に

当社では、SDGs の推進により、これまで以上に働きやすい環境に変わってきたように感じます。たとえば、ICT を導入して、作業効率が上がったことで土日の完全週休二日制が実現したり、女性の施工管理担当者が増えたりと、社内全体に好循環が生まれています。
現在の個人的な目標は、一級土木施工管理技士の資格を取得すること。仕事をしながらキャリアアップを目指す社員には、テキストの支給、受験費用の負担、社外講習会の受講や資格取得時の奨励金など、会社が手厚くサポートしてくれるので、積極的に資格取得を目指す社員が多く、日々切磋琢磨しながらともに知識と技術を身に付けています。
規模の大きな組織で、事業分野も多岐にわたるため、さまざまな現場で経験を積めることが大森建設の魅力のひとつです。熱意があれば、若手でも現場を任せてもらえ、ベテランの先輩方もフォローしてくれるなど、社員同士のコミュニケーションも円滑です。がんばる社員とその家族を全面的に応援してくれる環境が整っているので、技術面でも精神面でも、大きく成長できる場だと実感しています。

地域における再生可能エネルギー導入の優良事業として経済産業省が所管する「地域共生型再生可能エネルギー事業顕彰」に採択されるなど、同社のSDGs 関連事業は県内外で好影響を与えている。

風力発電の基礎となる部分の点検、安全管理は重要な役割のひとつ。巨大な風車の荷重を支える土台となるため、稼働時の安全を考慮しつつ、鉄筋コンクリート造の堅固な設計と精錬された技術が求められる。
社員の幸せを実現することからはじめる SDGs
秋田銀行より

インタビュアー
秋田銀行地域価値共創部 髙橋 希久美
大森専務のお話からは、企業として地域に貢献しつつ、社員一人ひとりに向き合い、それぞれが働きがいを感じられるような職場づくりに力を入れている様子が窺えました。このように地域や社員に対する思いを人事制度や福利厚生という形として現場サイドにもしっかりと反映できることこそが、地域を長年にわたってリードする大森グループの土台であると実感しました。
インタビューさせていただいた大渕さんは、単独での現場管理を任され、若手ながら責任あるポジションで活躍している一方で、幼少期から続けている野球に今も現役で携わるなど、プライベートとの両立を実現しイキイキしている表情も印象的でした。
大森グループは、「よりよいまちづくりを実現したい」という熱い思いのもと、SDGsの考え方が世の中に浸透する以前から、自然体で社会課題に向き合っています。大森グループのように、地域を愛し、未来に向けたまちづくりに誇りと責任を持って取組んでいる企業とその社員のみなさんの存在が地域の基盤となっていることに改めて気づかされた取材でした。


( 建築・土木工事 / 海洋土木 /
エネルギー環境ほか )